昨日、四谷にある日本酒、焼酎がおいしい居酒屋「萬屋 おかげさん」で、店主と酒蔵めぐりの話をしていて、茅ヶ崎にある熊澤酒造にうちのダンナが取材に行ったことがある、と触れたときに、
「あそこは2年前ぐらいから急に味に深みがあるいいお酒ができるようになった」
と店主が言った。
熊澤酒造は若い蔵元が、先代の病により留学先のアメリカから急遽戻って継いだという蔵で、杜氏も農大出の若い方だ。
「何でも好きなことをやっていい」ことを条件に、蔵を継いだ蔵元は、地ビール醸造や敷地でのレストラン経営、おいしいパン製造なども行っていて、「蔵を酒のテーマパークにしたい」と言っている人。
そんな人だから、蔵を継いだときから毎年、「どうすればもっとおいしいお酒ができるだろう」と杜氏といろんな工夫をして、蔵のサービスや見た目だけでなく、お酒の味も変えてきたのだろう。
熊澤酒造をダンナに紹介してくれたのは、青梅にある小澤酒造の蔵元なのだが、こちらでは逆に「どんなにおいしいお酒ができたタンクがあったとしても、通常のラインアップとして定着したブランドの酒の味は、ブレンドなどで調整して基本的には変えない」という話を聞いたことがあったので、面白い対比だった。
ちなみに小澤酒造も、敷地のレストランでおいしい豆腐を出したり、昔ながらの杉の樽でお酒を造ってみたり、いろいろと実験的なこともやっていて、通常ラインとは違うところでは梅酒などの変わったお酒も造るし、品評会出品用のものすごく美味い酒も出していて、こちらは杜氏と蔵元が喧々諤々やりながら造っているらしいのだけれど。
「新しいことにもチャレンジし続けないとお客さんの変化についていけなくて、取り残されちゃうでしょ」と蔵元に聞いたことがある。
熊澤さんのところでも、味が安定してきて、これからは「どうやってお客さんを驚かせようか」というところと「どうやって同じ味を安定して出していこうか」というところのバランスをいろいろ考えていくんだろうなあ。
熊澤酒造
http://www.chigasaki-cci.or.jp/ccci02/Ct/kumazawa.html
小澤酒造
http://www.sawanoi-sake.com/
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