と澤乃井さんからのご招待。秋の奥多摩へ行ってきました。


はじめに酒造好適米と酒造りに至るまでのお米の加工について説明がありました。

右手の枡には玄米が、奥に65%まで磨いた精米があります。手前の皿の左手の方にあるのが赤糠と白糠。赤糠は玄米を普通に精米したときに出るもので、甘みがあります。白糠はそれに比べて粉っぽい。
で、右側の皿にあるのが蒸米です。硬めに炊いたごはん、といった感じです。いつも食べているような甘くておいしい米とは違い、これだけではあまりうまみはありません。
手前左の枡には麹。蒸米に麹菌を植えて作ります。こちらは甘い味がします。麹と蒸米と水に酵母を加えて発酵させていくとお酒になります。というと簡単そうですが、蔵人さんたちの技と努力、お米をつくる農家の方の努力と、米が育つ時間、酒が育つ時間があって、はじめておいしいお酒が飲めるわけです。新酒の時期にはそのありがたみをより一層感じられます。
その後、「澤乃井 一番汲み」で乾杯しました。「一番汲み」は今年第1号の新酒中の新酒を原酒のまま瓶詰めしたもの。繊細な調整とは無縁ですがおおもと、原点の味がします。濃くうまいお酒です。
それから、サンマの柔らか煮(菊花のおひたし添え)、クルミをトッピングしたきのことペンネのサラダをいただきながら、美酒鍋が出来上がるのを待ちます。お酒は「澤乃井 しぼりたて」、「澤乃井 ひやおろし」。「しぼりたて」は新米新酒、「ひやおろし」は夏を越して熟成の増したお酒で、どちらも同時に飲めるのはこの季節ならでは。
美酒鍋は、土鍋で肉を炒め、野菜をその上にぶっこみ、塩、こしょう、乾燥にんにくチップと、日本酒を2合入れてふたをして待つ、という簡単かつ豪快な鍋で、元々は蔵人のまかない料理とのこと。

酒蒸しされた野菜の甘みがたまらなくうまい! 翌日仕事などがなければ、にんにくチップはかなり多めに投入した方がおいしいようです。
だいぶ食も酒も進み、ほろ酔いになったところで、利き酒が……。もうわかりません。ええ、見事に自信を持ってはずしましたよ、ええ。まあ、おいしくいただいたので、良し、ということで。
夜の奥多摩は、それなりに防寒してきたつもりでしたが結構寒く、もうすぐ冬が来るのねえ、と思ったことでした。
あ、言い遅れましたがご招待くださった澤乃井の酒々小屋組スタッフの皆様、小澤社長、同席になってひとつ鍋をつついたOさま、O先生、楽しいひと時をありがとうございました。