聖者が街にやってきた

公開イベント＜「ベサメ名著」の夕べ＞を企画進行中。で、ただいま村上春樹の『風の歌を聴け』を読んでいます。
……てなわけで、かなり春樹ワールドに浸かっているワタクシ。それを前提に以下は読んでくださいね。実際にあった事だけれども。

午後、客先に向かうため、渋谷駅前を同僚と打ち合わせながら歩いていた。
前からサングラスをかけ、「(ﾟДﾟ)ｺﾞﾙｧ!!」と怒鳴りながら歩いてくる男がいる。目が合った気がした。
何ごともなくすれ違った……と思った瞬間、背中をバシッと叩かれる。
驚いて振り返ると、サングラス男が7メートル後ろでこちらを向いていた。「(ﾟДﾟ)ｺﾞﾙｧ!!」ともう一度、男が言った。
同僚が心配して「大丈夫？」と聞いてきたが、背中は痛くない。友達同士で悪ふざけしていて叩かれたような、親しみの表現とも取れるような不思議な感触があるだけだ。
そのまま、歩みを止めずに、元の目的地へ向かった。
私のほうには、なぜだか怖れがなかった。彼からの怒りの放射も感じなかった。「私の子ども」という言葉が頭をよぎった。もし時間があって、同僚がいなかったら、彼をハグしていたかもしれない。私よりも年上と思われる、おそらくは精神が病んでいるその男が、私の中の何かのスイッチを入れたのだ。

ああ、これが聖者だ、と思った。

他人には訳のわからないやり方で、サングラス男はたしかに、私に癒しをもたらしたのだ。

訂正。

頭に一瞬よぎったのは、「私の子ども」ではなく「子どものわたし」だったのだと、一晩寝て起きたら気づいた。いま・ここにいる私を、怒りにあふれた子どものわたしが打ったんだな。そう思うと「私の影」とも言えるのかも。

癒し、というか、ものすごい「統合感」を感じたのはそのせいで、私は彼＝彼女に怖れと怒りは感じなかったのだ。かつ、渇望もなかった。静かな、「いいんじゃない？」というような、赦しというにはちょっと大げさな気持ちがあっただけだ。

さて、なんかゆんゆんしてきたから、これでこの話はとりあえずおしまいにしよっとｗ

Comments

[投稿情報: Papimaru]

マジレスしますが、だいぶ前、朝の満員電車に乗って、その人いきれを癒しエネルギーとして感じたことがあるけど、そういう類の感覚でしょうか。
そのときは精神的・肉体的にかなり疲れていた記憶があります。

[投稿情報: Papimaru]

コメントは修正できないんだねえ。

[投稿情報: mumuZULE]

修正できないんですよ、すみません。
一度確認してから投稿すると吉です。

どちらかって言うと満員電車の人いきれは、私には癒しエネルギー持ってないです、マジレスすると。
そこまで統合できたら、っていうか、広がりのある自我を持っちゃったら、神になれます（笑）
電波が発射できますな。

[投稿情報: Papimaru]

俺って神？

[投稿情報: mumuZULE]

芸術家だからなあ。。。